ユーザ部門からの発想-新しいビジネス創出のためには
最近、新聞紙面やビジネス雑誌を眺めていると、イノベーション=「自然エネルギー」や「エコカー」といった環境キーワードのビジネス、といった様相になっていると感じます。
民主党の新政権になって「CO2等排出量について、2020年までに25%減(1990年比)を実現する」といった公約は大変インパクトがあり、民需・官需問わずこれから投資されるであろう金額の規模は一つの産業を興すことに匹敵するのではないでしょうか。
誰もが反対すべきでない「取り組んでしかるべきテーマ」であり、これまで日本や世界を支えてきた産業の景気や消費が低迷する中で、国益にもつながる環境ビジネスに期待が一身に高まるのはよく理解できる現象と思います。
こうした国民(企業、個人とも)の関心の高まりを受けて、「25%削減」という大きな、崇高な目標を達成するためには、まずもって
「報告義務のある事業者を正確に把握(マスタ台帳化)し、適切な申告・報告を怠る事業者には是正する強制力を持ちつつ、CO2排出量等を正確かつ公平にデータ化すること」
が出発点ではないかと感じています。
このデータの信頼性に対して疑念が生じた瞬間に、一生懸命届出を行った正直者がその社会的コストを背負わされ、そうでない違反者が手間一つかけることなく得をするような構造になってしまいます。
今現状でも、国内外の環境に関する規制には、大気や土壌に関するもの、含有される化学物質に関するもの、廃棄物に関するもの、エネルギーの再利用に関するものなど、監督省庁の所管や国・自治体等によって様々なルールが存在しています。
しかしながら、それらが省庁ごとにデータ連携されておらず、かつ、「報告義務を負っている事業者が具体的にどれだけ全数存在して、その事業者から報告義務の適切な履行がなされているか/いないか」が省庁横断的に情報共有できていないのが現実ではないかと推察しています。
(現行法制度上で情報共有が許されていないことも原因です)
こうした場面でも、当社の「データマネジメント」の考え方と技術的実行手段がとても役立つのではないか、と考えております。
・・・すいません、ちょっと宣伝っぽくなってしまいました。
本日書きたかったのは、環境ビジネスが注目されていることの是非とか、当社がそこで役に立てることをPRしたかったわけではありません。
そこまで大きな投資や世間的に注目を浴びないような分野でも、こういう苦しい時代だからこそ、潜在的なニーズにマッチしていたり、地道な創意工夫によってニッチなマーケットを押さえるような商品・サービスがもっと世の中に生み出され、イノベーションを巻き起こし、経済の活性化に寄与すべきではないでしょうか。
当社の事業は、10数年前、私がユーザ(業務)部門に在籍したときに
「こういうサービスがあったら、きっと自分のように困っている人がとても助かるし、喜んでくださるだろうな」
と単純に発想したところからスタートしました。
何もないゼロからの、一人ではじめた事業だったので、それは「イノベーション」なんてカッコ良い言葉で括れない、七転び八起きの連続でした。
しかし、「自分が心から困ったことを何とかしたい」という信念があれば、不思議と立ち上げ期の不安で不安で仕方ない時期も何とか乗り越えれるものです。
私は、どんな仕事、どんな業務、どんなビジネスにも、その日々の日常の中に必ず改善すべき課題が存在するものであり、その一つひとつがビジネスの大切な「萌芽」になると信じています。
今の環境ビジネスのように注目されずとも、こうした厳しい社会情勢は逆にチャンスであり、ユーザ部門の出身の方がご自身の体験で実際に困ったことを解決していくビジネスにチャレンジしてくださると、少しは重苦しい今の日本の閉塞感も解消されるのではないかな・・・などと感じています。
取り留めない話に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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